イエメン的エネルギーワーク 太陽から暖を取れ
イエメンで朝早く起きて町の風景を見ている人なら、なんとなく、そうかもと思ってくれるような話だ。
太陽がのぼってくる頃合いから、別に何か用事があるわけでもなさそうだが、路上と家とかで、
いろんな人がぼっとーと座ってたり、談笑してたり、じっとしている姿をよくみかけるだろう。
「朝早くからなにやっての?」なんて思う人は、まだまだアマーイ。
別に彼らは不審者でも、朝からぐれているわけでも、何かを観察しているわけではない。じっとしているだけだ。太陽に向かってね。
だから警備の関係者も持ち場から離れて太陽の日の当たる方で座っている。それじゃ警備にならんのだが・・・。
これは、イエメン人的なエネルギーワークだ。静功とか内功にちかいものか。
暖炉、暖房なんていうものは庶民には殆ど無いので、寒い、だから、太陽からのエネルギーを早朝に一気に充電しておこう、というものなのだ。で、そんなに急いで出勤するような人はイエメンではいないので、のんびりとじっとしているというわけだ。へたすると数時間でもそこにいるかもしれん。
別にエネルギーワークとか気功なんていう発想も彼らにはないだろうが、実に効率のいい朝のエネルギー充填法を実践しているのは、実に「さすが山の民イエメン人」、または「自称スーフィーの多いイエメン」という感じだ。
なお、ハダラマウト州では、スーフィ(イスラム神秘主義)的な雰囲気は今でもこく、座功の際の足固定バンドさえも流布している。感じはミラレパみたいに座って(半座、韓国式胡坐でもいい)、または広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像の格好でもいい、足をバンドで固定するのだ。
なぜかって?意識が深い瞑想状態(サマディ)に入ると、倒れたりするから、足を固定しておくのだ。実は結跏趺坐とかは深い瞑想だと気をつけないと後ろに倒れて頭をうつ可能性があるから、背側には十分注意することだ、クッションを置くとか。
でも半跏思惟像的な座り方だと、後方への心配はない、足を固定すればね。
今では、ハダラミー(ハダラマウト出身者の意)は、このバンドで足を固定して、だべるのだ、なにせ座るのが楽、長時間ね。
Hadhrami=those who from Hadharamout Province, Yemen
私は早朝にのんびりなんて出来ず、短い時間で出かけないといけないが。