通訳のコツのようなもの雑感そのなんとか
この食事時の通訳といった、いわゆる懇談の場合には、特に酒類が入って双方が酔っぱらってくると、当然話題もくだけたものになってきます。
こういう場合、通訳が、通常通り「生真面目」に訳していると、はっきりいって雰囲気が台無しになります。
通訳としては、訳す内容も重要ではあるのですが、むしろ雰囲気(特にジョーク系、下ネタがらみ)を大切にしつつ、その懇談の流れを乱さない形で訳すのが適当でしょう。なお、下ネタ系は、そのまま露骨に訳すのではなくて、さらりと自然体で訳すのが適当でしょう、そうするとジョーク的になり下品さはなくなります。
また酔っている場合には、話の内容が見えなくなる、ないしあちこちに飛ぶ場合、論理的につながらない場合、一人がしゃべりつづける場合など、さまざまなケースがありえます。こういう場合にも、要点だけ手際よく訳して、あとは懇談の楽しげな雰囲気を通訳子が乱さないということを重視しつつ、通訳する人が、訳す際の声のボリュームを意図的な抑揚をつけてみるとか、ボディラングエジで大げさに笑いながら表現してみるのもいいかもしれませんね。
つまり、簡単にいえば、訳す相手らが酔っぱらっている、ないし非常にくだけた形で懇談している場合には、通訳する人もその仲間の一人といった雰囲気で通訳の作業を行うのがおそらく良いであろう、ということですね。それにより、内容の如何はおいておいて、通訳を介した形でも双方の懇談という目的は十分に達成されることになりますので。