この本の帯には「アンデス秘教の村に招かれ、長老ニナ・ソンコから7日間の教えを受けた作者の稀有なる実体験レポート、次元進化への道しるべ」と書かれてます。
1-6日は座学、7日目はイニシエーションで太陽のブラザーフッドに加わったという内容ですが、その描写はなかなかユニークです。
「お前が目覚める時、全ては夢だったと気づくであろう。わしらの生き方を支配する優れた法則がある。何かを手に入れるための道ではなく、与え愛し純粋に他者を気遣っていく道を示してくれる。そう願うならば人々はこの道を共に歩む事が出来るだろう。しかし実現していくのは非常に個人的な問題である」
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この本はちょうどゲームのRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の主人公になったような視点で読むことができるようになっているという感じです。ですので、作者が体験したプロセスを追体験する、そんなような感じです。それがこの本が書かれた意図なのではないかと思いますが。
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ちなみに、作者がこの秘教の村に招かれるまでに30年もの月日を待ったとか。ここら辺の部分も含めて、「あるヨギの一生」(パラマハンサ・ヨガナンダ)に出てくるスリユクテスワ師がババジに「呼ばれて」ヒマラヤに「出張」にいったときの体験のようなものかとふと思いついたところです。
何かのヒントになりそうですから。。。
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(両脚を組んで)リズミカルな深い呼吸がスタートする。彼が過去20年間、ずっと行い続けてきた呼吸だった。慣れ親しんだ”チリチリ感”が背中の一番下のところで発生する。
続いてそれが温かなエネルギーの塊となって体の中心部を上昇し、頭頂部から溢れ出て周囲の空間に充満する。ゲリーは反射的に、身体感覚を閉じ始めた。まずは、聴覚、つづいて味覚、嗅覚、触角が閉じられ、最後に視覚が停止する。
無数のコオロギの鳴き声のような音が頭に轟き、彼をより一層、身体感覚から遠ざけた。明るい光が額から流れ込み、ゲリーの意識的知覚のすべてを、肉体からエーテル体へと引き上げた。
次の瞬間、彼はアカシャ、「記録の殿堂」の巨大な扉の前にいた。
その扉の壮麗さにいつも同じ新鮮な驚きを覚えつつ、ゲリーは静かにアカシャの守護者であるマイク・アイ・エル・アーの”大広間”に足を踏み入れた。意識的にそころ訪れてきた者たちの蓄積した喜びがゲリーに押し寄せ、”存在するすべて”を知っているという感覚で彼を満たす。いつそこを訪れても押し寄せてくる感覚だった。
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こういう文章は、創作ではかけないでしょうし、体験まずありきで、その体験をどうやって文字化するかという難しい作業を経て、ある程度妥協した上で最終的に書かれたものでしょうね。