Harry Snape ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
"Control your emotions and discipline your mind."
アンブリッジのセリフ。
"Naughty boys deserve to be punished."
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ハリー・ポッター・シリーズではこの「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の映画が一番、人間のいやらしさが表現されているといえるんでしょう。役人(次官)のパワーを乱用する女性教師アンブリッジ、はっきりいって子供嫌いで(だから喜々として体罰を加える)、教育というよりは子供を徹底管理して役所での自分の評価が上がることしか考えていない人、権力の亡者でナルシストで人間不信者。
またスネイプ、ハリーにほとんど拷問のような形で「感情をコントロールしろ」と偉そうに言うわりには、自分の学生時代のみじめさのトラウマから抜け出ることができず、そのコンプレックスの鬱憤を子供に対して教師という立場を利用した「パワハラ」で解消しようとする哀れな教師。
この映画を見た子供は、少なくとも役人(特に教育担当省)や、教師に対してクールな目で見るようになるんでしょうし、「ストレスでパニックっている哀れな教師だ」とみているかもしれませんね。
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会社でもどこでも同じようなもんですけどね。
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で結局のところ、ハリーは" I go Alone."というセリフを吐きますし、これにはチョウ・チャンにも「裏切られた」ことが影響しているのかもしれませんが。
ともかく、このシリーズはハリーの揺れとブレがちゃんと描かれているところが、単なる「ヒーローもの」とは違うところでしょう、だから共感を得られるものとなっているわけなんでしょう。
ちなみに、ボルデモートやスネイプがハリーを精神的に攻める方法は、「お前は実に弱い(weak)」というセリフの連発です。そして、「憎しみの感情を高ぶらせることで”強くなる”こと」を勧めるわけです。
「弱い」=「悪い」「よくないこと」という人々の価値観(まさに競争社会の原理そのものですが)は、気をつけないとボルデモートと同様のことを惹起することになりえます。だから、こういう世界と社会になってしまったんでしょうかね。
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なお、個人的にはLuna Lovegoodを評価していることは前にも投稿しました。
たぶん、ルーナ・ラブグッドが一番物事を見通しているという意味で。というのもダンブルドア校長ですらぶれますからね。